f8 Tokyo 午後の部
参加倍率3倍! 速報! 「f8 TOKYO」レポート (午後の部)
CLASKAのランチバイキングに満足した参加者は、午後の部、いよいよ開発に直接関係するテクノロジー系のセッションに移りました。
まずはOpen Graphセッション。Zhen Fang & Will Liuのふたりによるプレゼンテーションです。ここでは先の「f8」でTimelineとともに注目を浴びたOpen Graphアプリについて、その概念から解説がされていきました。
新しいアプリは一言で言うなら「ユーザーがオブジェクトとアクションで繋がっていく」ということ。
この写真を見て分かるように、これまで「Like!」だけだった行動つまり動詞をユーザー(=デベロッパー)が自由に設定できます。そしてその目的(オブジェクト)もまた自由に設定できるようになるわけです。午前中のプレゼンテーションで説明した概念をより掘り下げてテクニカルな説明が行われました。ただし後のQ&Aでも質問が出ましたがユーザー(=主語)+アクション(=動詞)+オブジェクト(=目的)というのは英語の文法にそった意味付けになるので今後日本語化したときに少し工夫を期待したいところです。
ここでも実際にアクションを使ってアプリケーションを作り設定をすすめていく方法が一つずつステップ通りにデモンストレーションが行われました。
ここでやはり核となるのがOpen Graphのアプリによって「友達が使っているアプリは使いたくなり、使う時間も長くなる」というところでしょう。FacebookはFacebookにユーザーがログインし、滞留時間を長くする方向で進化してきました。まさにOpen Graphアプリは、その方向を強化するものであると同時に、新しい方向性を感じさせるものとなっています。
次はNamita Gupta氏とFred Fang氏によるゲームセッションです。
Facebook上でゲームをプレイしている人は世界に2億人以上という凄まじい数字が発表されました。ここでも一つのポイントとなるのは何をソーシャルにタイムラインに情報を流していくかということ。あるゲームで友達に勝ったとすると、その最高得点を自慢したいのか、それとも回数を自慢したいのか、通算成績を自慢したいのか、そういうあらゆる要素をここではデベロッパーが設定できるそうです。逆に言えばその設定如何によってゲームの拡散力が左右されるかもしれませんね。
開発者にとって非常に有益な情報が矢継ぎ早に繰り出される午後のセッション。三番目はモバイルです。
モバイル担当のAyeh Selekmanが主にiOSをサンプルにしたFacebook連携の事例紹介とデモンストレーションを行いました。ここでは電子書籍の「kobo」と写真共有サービスの「Color」が例として紹介されました。
「kobo」は、なんの本を、どこまで読んだかをFacebook連携によりTimelineに表示ができ、「Color」では、Facebookアルバムのフォルダに直接友達同士が投稿できるだけでなく、動画さえもストリーミングで共有できるようになっています。最近のFacebookのアップデートで加えられた右側のリアルタイムに更新される「ティッカー」に「Color」を使っている友達の情報が流れたら、それをクリックするとストリーミングが始まります。
ここではさらに「Wish List(欲しいものリスト)」というデモアプリでのプレゼンテーションもありました。その場でXcodeを動かしてシミュレーターでiOSアプリを動かすのですが、何度か失敗。4度目の正直で成功したときは場内から拍手が起こるなど、開発者が集まるミーティングならではのまさにリアルソーシャルな共感(?)が感じられる一幕も;-)
1.Get the code 2.Build and optimize 3.Hack! というサマリーがなんとも“らしさ”を感じました。
15分ほどのブレイクタイムを経て、次はマーケティングAPIのセッション。Vatsal Metha氏とDhiren Patel氏による解説。
Facebook広告は非常にターゲットの属性を絞り込めるのはすでに知られている通りです。それをよりマーケティングに活用するためにはどうするか、というこれもまたFacebookでビジネスを展開している開発者にとっては非常に興味深い内容でした。
Vatsal Metha氏とDhiren Patel氏が強調していたのはユーザーはストーリー、つまり物語を友達に話したがっているという事実です。そしてそれを語ってもらうための手段と情報の流れの仕組みを用意し、ドライブしていくのがFacebookであるということ。そしてこのドライブされる元のコンテンツの発進地としてのFacebookページの存在意義であるということです。
これまでのマーケティングや広告というのは国やその人の属性によって使い分けなくてはならず、その使い分けの人的時間的コストというのがかなり負担であるのは事実でしょう。そこの部分をFacebookのMarketing APIを使うとより効率的にマネージできるというのが一つのポイントとのこと。
「Marketing APIとアプリ、FacebookページはFacebookの戦略にとっても非常に重要なポジション」であるそうです。そして彼ら曰く「Facebookにとってこのプロジェクトは1%の発展途上である」と。
ここでクックパッドの技術部長、井原正博氏が登壇です。
先日行われた「f8」で日本から唯一、クックパッドがローンチパートナーとして参加していました。クックパッドのミッションである「毎日の料理を楽しみにすることで、生活を豊かにすること」のためにFacebookアプリの開発を行ったということ。井原氏曰く「前に動いていたものが動かない」「自分のコードが悪いのか、単にFacebookが動いていないのかわからない」といった開発者ならではの苦労話に出席者なかから笑い声が漏れる一幕も。ちなみに「しばらくほうっておいて様子を見る」も対応策として有効、だとか;-) なぜならFacebook内での仕様変更が行われてる真っ最中であるケースがあるためだそうです。
Facebookの開発に参加して井原氏が感じたことは「大変だが一緒にやっている感がある。ローンチパートナーとなった試したことを自分たちのAPIのあり方をモディファイしている感があってユーザーを見てきちんとサービスを改善していくところがFacebookの開発の良さ」とのこと。
かくして作られたクックパッドアプリは
Cookpad:cook
こういう料理を作りましたという“つくれぽ”機能(クックパッドのPCサイトにあるレポート機能)をFacebookに共有するアプリで、承認済ならニュースフィードに自動で流れる。
Cookpad:view
コネクトすると見たレシピをすべてティッカーに流す。今まで気がつかなかったものを知ることができるセレンディピティを生む。
をベータ版として製作。
以前クックパッドに投稿したレシピなどのコンテンツがFacebookアプリによって自動的に過去のTimelineこれらはクックパッドのサイトからTimelineに投稿するデモンストレーションが行われ会場からは「おおっ」という声が漏れました。(これら機能はまだ一般には公開されていません)
また、井原氏によると「JavaScriptの実装は感動レベル」という実感を持ったそう。「プラットフォームというレイヤーで世界を変えるのがFacebook。そのプラットフォームの上でアプリケーションというレイヤーでクックパッドは世界を豊かにしていく役割を担っていきたい」と力強く語ってくれました。ちなみにエンジニア大絶賛募集中だそうです
この後のQ&Aセッションは、なんと1時間。これまでプレゼンテーションしてきたFacebookスタッフが質問に逐一答えるという開発者にとってはまたとない体験ができたのでした。
今回の「f8 TOKYO」で総じて感じられたことは、TimelineというものがFacebookユーザーの情報を過去にさかのぼって集約するライフログとしての性格が強く感じられること、そして新しいOpen Graphアプリもまた、それを補完する存在として過去、現在、未来の情報を流通させる手段として非常にパワフルであることが感じられました。なぜなら「Like!」だけでなく人間活動の全ての行動(=動詞)をFacebookアプリ化できるようになったのですから。
またアプリ開発のプロパティページが日本語に対応する予定ということも明らかになりました。ここから一気に日本でもFacebookアプリの開発が加速することは間違いないでしょう。将来、日本におけるFacebookデベロッパーのティッピングポイントがこの2011年10月10日の「f8 TOKYO」だった……と呼ばれるような気がしてなりません。
Text & Photo : @torumori(tsungaru Inc.)
2012年2月 21日に更新
















